レモンを追悼します。

レモン(犬)が死にました。

ラブラドールで13歳でした。

ここで何か書いておこうと思ったのは、今の気持ちを忘れないようにするためです。



それはそうと、みなさん「ずーっと ずっと だいすきだよ」という作品を知っていますか?

ググれば出てくるんですけど、ハンス・ウィルヘルムという人の作品で、小学校の時に国語とか道徳とかでやった人もいるんじゃないかと思います。

簡単なストーリーをいうと、犬が来て、家族に囲まれて一緒に過ごすんだけど、死んでしまう。周りの家族はとても悲しむけど、主人公は夜寝る前に「ずうっと大好きだよ」って犬に語りかけていたので、いくらか気持ちが楽だったという話です。

自分が小学校で一番覚えてるストーリーで、中学に入って犬を飼うことになって真っ先に思い出しました。まあ、そのころ俺は犬が嫌いだったんだけど、FF7を買ってもらえることとの交換条件で犬を受け入れることにしたんだよね。

で、いざ来てみると、これがもう、すげーかわいいの。天使っているんだと思ったね。マジでかわいい。ラブリーってこういうことを言うんだ。って思った。もう犬嫌いなんてふっとんだね。かまいすぎてちょっと体調悪くしちゃって、若干反省してる。

まあ、そんなこんなでレモンが来たわけです。

あ、で、実はそのころ、うちはけっこうもめていて、いや、このことはだれにも話したことはないんだけど、両親が喧嘩がちだったわけです。かなりの頻度でけんかしてて、正直子供心に離婚するかなーとも思ったものです。まあ、こんなことは親には言えないので黙っていてほしいのですけど。

それがレモンが来てから全然変わってね、もうけんかはあまりしなくなった。なんでって、俺には本当のところはわからないけど、レモンの人に対する接し方を見て変わったんだと俺は推測してます。いや、希望的観測なんだけど。

レモンって馬鹿でさ、だれを見てもすげーしっぽ振ってよって言ってすぐぺろぺろなめるようなやつでさ、外で飼うから番犬代わりにもなるねーみたいなこと言ってたんだけど、全然無理でさ。水道局の人とか検針に来るんだけど、その人の事もぺろぺろなめちゃうくらいでさ、ちょ、おまえそれ知らない人だから!!!って思ってるんだけど、レモンはすぐにしっぽ振りながら近くによっていって、ぺろぺろなめるんだよね。

うちは通学路の途中でもあるから、小学生とかが庭の柵の向こうから手を出してレモンと遊んだりもしてた。もう、みんなレモンのこと大好きだったと思う。でもそれって何故かって、確かにレモンは犬の中でも顔が整っていて本当飼主目線で見てもかわいい犬だったんだけど、そんな「※ただしイケメンに限る」みたいな話じゃなくて、あいつっていつもいきなりすげーこっちに好意を振りまいてくるんだけど、そのせいなんじゃないかと思う。

ほら、まあ、「好き好きーーーー」って言ってくる奴ってあんまり無下にできないじゃん。その原理。あいつは本当誰にでも「好き好きーーーー」って好き好きオーラ全開でとびついてくもんだから、結構いろんな人があいつのこと知ってたし好意を持ってたと思う。散歩に連れてくと知らない小学生が「あ、レモンだ―!!!」って言って寄ってきてたし。そして全力で飛びつくレモン。止める俺。みたいなね。

まあまあ、そんな感じで人と接する犬が我が家にいるもんだから、うちは基本好意がコミュニケーションのベースになるようになった。俺も変わったと思うけど、一番変わったのは両親の関係だと思う。会話にとげがなくなって、ふざけるときもにやけながらふざけるようになってた。レモン様様だと思うけど、両親がどう思っているのかは知らない。

まあ、そんな感じで、レモンはうちの環境まで変えてくれた。でも、あいつは俺にも色々と教えてくれたと思う。正直自分の今の人格?性格?はだれよりもレモンに影響を受けていると思う。

レモンは、俺が怒ってようが、へこんでようが、勉強したくねーって思っていようが、いっつも馬鹿みたいに笑ってしっぽふりふりふってぺろぺろなめてくるような馬鹿な犬だったけど、だからこそみんなに好かれていたのだと思う。もうあいつ人間大好きだったからね。他の犬には脅かされてたりしてたまにビビッてその犬を避けたりしてたけど、人にはだれであっても愛想振りまいて近づいて行ってた。

俺はそれを見てそういう関係を周りの人と作っていけたらいいなと思うようになりました。そのためには、人を好きになることだと思ったので、そうなるよう努力しようと思いましたが、その必要はなく、俺は大体周りにいる人を好きになりました。周りに恵まれていたのだと思います。ただ、きっかけを与えてくれたのはレモンだと思います。

そうそう、そういえば、俺はいわゆる「いじられキャラ」って奴だと思ってるんですけど、最初は本当にこれがきつかったです。だって馬鹿にされてるって思っちゃうし、仲良くない人にいじられると「こいつ俺のこと嫌いなんじゃないか???」って心底疑っちゃうし、一度疑心暗鬼になるといじられても本当嫌なだけだし。

でも、まあレモンと会ってからは最初に人を信じる癖がついたのか、あんまり嫌じゃなくなりました。むしろ好きな人にいじられると気持ちいいです。Mではありません。気の置けない仲間との会話は本当に最高です。まあ、でも度が過ぎると嫌な気分になったりするので、イジリは愛を持ってやってくださると助かります。


で、ええと、まあこんな感じで自分はレモンを真似て人間関係を作ってきたのでした。俺がいつもニヤニヤしてるのは、別にエロい事考えてるんじゃなくて、誰かと話してうれしいからです。そうだと思います。

まあ、こんな感じで俺は本当にレモンを愛していたんですけど、最初に挙げた本はずっと頭に引っかかっていまして、いつかはレモンは死ぬんだなとわかっていたので、それまでなるべく一緒に遊びました。大学に入ってからは帰省すると必ずレモンにいろいろと話すようにしました。あと、好きだと伝えるようにしました。
犬は言葉を解さないのであいつに伝わっているかは疑問ですが、態度とかで俺の気持ちが伝わっているといいなと思います。

去年くらいからあいつは本当に足腰が弱くなりました。足腰を弱めて歩くのを辛そうにしているのを見るのは本当につらかったです。すぐにへばってしまったり。でもよく考えたらそうやって悲しみを分散してくれていたのかもしれません。俺は実家に帰省するたびに弱っていくあいつを見て本当につらかったですが、その分国語の教科書を思い出して、あいつに話しかけたり、一緒に日向ぼっこしたりするようにしました。

去年の冬はもう散歩にも行けなくなって、あんなにふっていたしっぽも動かなくなりました。それでも手を出せばぺろぺろとなめてくれましたが、俺はもうその時覚悟をしていました。もうその2,3回前から、実家から東京に戻るときは最後だと思って挨拶するようにしていました。

今年に入ってレモンがなくなったと聞いて、今日帰ってきて線香をあげてあいつがいなくなった庭を見て、何とも言えない気持ちになりました。でも、国語の話のおかげで俺はあいつにずうっと好きだ好きだと伝えてこれたし、やれることはやったと思うので、後悔はあまりありません。




レモンに会えたことには、本当に感謝しています。そして、レモンには、もはや言葉では表せないくらいの感謝をしています。あいつが幸せだったかはわかりませんが、うちの家族や周りのみんなはあいつを大好きでした。俺はあいつに幸せをたっぷりもらいました。




何がいいたいかというと、犬を飼うというのは、良いものだということです。あと、自分の一人語りで、自慢したかったのかもしれません。まあでも、あいつに会えて本当に良かったです。

支離滅裂で申し訳ありません。これからもよろしくお願いいたします。頑張って試験を乗り切ろうと思います。